私の前々職の会社は今で言うブラック企業でした。いわゆる、営業100%の会社でありました。ブラック企業といえば、その労働時間の多さが特に注目されがちであり、待遇面の悪さが注目されます。しかし、私のいたその会社は、労働時間も待遇面もひどいのですが、それ以上に営業研修がすごくツラく、新入社員研修によるふるい落としが盛んであった会社でもあったのです。
「ひたすらに大声を出させる」 新入社員研修が、毎月2日に行われていたのですが、その際、年齢を問わず、研修参加者はとにかく大声を出させられます。
以前、某ブラック企業では、ひたすらに大声で「自分はダメな人間です」というようなネガティブな内容のことを言わせ、声が小さいとすぐに怒鳴られるというのを延々繰り返すというような研修がありましたが、私のその会社では、外で、しかもスクランブル交差点になっている横断歩道の4隅で声を張り上げ、聞こえなければ、怒鳴られ、何度も繰り返すというものでした。
大声で叫ぶというのは恥ずかしいものですし、叫ぶ内容もネガティブな内容が主なのですが、ほとんどが支離滅裂でこの研修だけで嫌になるのです。結局、「自分はなんてダメな人間なんだ」となり、即辞めていく人が多く出る状態になります。しかしそれでも残った人は、そうして自分をダメな人間だと思い込めば、そんな自分を雇ってくれている会社のために頑張ろうと思うようになります。
ブラック企業のこうした研修の意図は、このように洗脳するところにあります。そして、この研修を乗り越えても、日々の上司からの厳しい視線とその内容で、どんどん体調を崩す人が増える状態となっていきます。結局最後は、会社が悪いという訳ではなく、自分自身が悪いんだと思い込ませて辞めていくことになるのです。
営業優先、体育会系の会社には気をつけよう
今の時代は人材難であり、この当時の捨てるための社員研修は、会社を滅ぼします。実際、この会社もオーナーが変わり、今は定着率も高い企業へと生まれ変わっているみたいです。その当時の辛さを知っているだけに、まだあるブラック企業はどんどん変化して欲しいです。