大手家電メーカーで貿易事務の仕事をすることになりました。私が配属となったグループは4人で仕事をしていて、そのうちの正社員の男性が転勤になったため、その代わりとして仕事の依頼がありました。
当初は派遣会社に、貿易の知識があること、PC操作ができること、英語と中国語が出来て、コピーもお茶くみもする人との要望でした(笑)。
あまりにも無謀な要求だったので、派遣会社から断れました。その後、要求を下げて、PC操作も含む貿易事務、コピー、お茶くみもありという程度になりましたが、実際仕事をしてみると、貿易の知識は最低限でよいが、PC操作もするし、大量のコピー取り、時々お茶も入れます。
英語の電話は良くかかってくるどころか、中国語が飛び交っている職場でした。以前、営業アシスタントの仕事をしていた女性がすぐにやめてしまったというのも、納得です。
英語も中国語も出来る人ならば、コピー取りは嫌がるでしょう。コピーやお茶くみを中心に考えている人は英語も中国語も飛び交う職場には馴染めないでしょう。その会社ではPCの入れ替えをしている最中でした。
大手メーカーだったので社員数も多く、一度に全てのPCを入れ替えるのは難しかったのです。もちろん、新しい機種は正社員から優先的に導入されました。私は以前のバージョンのPCを使っていましたが、転勤した男性が作成した文書を更新することが多く、新しいPCでないと互換性がなかったのです。
やむを得ず、新しいPCを使っていると他の社員から「ルール違反だ」と何度も咎められました。かといってバージョンを落として文書を作成すると、図形やグラフが正しく表示されなくなってしまいます。
咎められるたびに、「申し訳ございません。やむを得ずお借りしています。」と謝らなくてはなりませんでした。それなのに、部長にはさらに新しいPCが導入されることになりました。ソフトのバージョンが3種類になってしまいました。部長の指示の文書が部下は読むことが出来ないという、めちゃくちゃな状態になりました。せめて2種類なら対応も出来ましたが、3種類になってはお手上げでした。
派遣先がどんな企業かは派遣で働いてよく分かった
他のグループの女性のPCも一番古いバージョンでしたが、ウイルスに感染してしまい、ウイルス対策ソフトは新しいバージョンしかなかったのを機に一番古いバージョンを入れ替える計画が早まりました。
私は貿易は企業や部署によって任される業務内容が大きく異なるので、派遣会社の貿易講座を受講しました。英語や中国語はNHKの教育テレビで勉強しました。
派遣会社としても、企業にどのような人材が登録しているかを詳しく説明するようになりました。結局派遣先の大手メーカーは社内ばかりに目を向けていたので、大きく損害を出してしまい、自社ビルを手放すまでになりました。PCの入れ替えのやり方を見ると内側に目が行っていたことがよくわかります。