20代前半の頃、大学を卒業してから数年間、就職が決まらず非正規雇用で働いていました。私が従事していたのは、業務請負の会社で、請負先の大手他社のビルのなかにあるパソコンに向かい、他社の正社員さんと、業務請負の正社員さんと席を並べて、顧客情報を入力する仕事でした。
二人の正社員さんは他社同士ではありますが、会社同士の付き合いも重要なのもあるのか、新年会や忘年会の話を、業務の合間にパソコンに向かいながらしていました。
非正規雇用の私はその横で、何の話か当然さっぱりわからないまま、業務に集中していました。しかし、隣の席から仕事中に「来年もよろしくお願いしますよ」などと聞こえてくると、「私は来年は契約あるんだろうか…」など、微妙な気持ちになることがありました。
さらに、そのビルには大手だけあって、大きな社員食堂がありましたが、非正規雇用の私たちは、会社から社員証を渡されるのが大変に遅く、社員証がなければ食堂を利用できないため、食堂に行けることなく契約終了する人もいました。
なんだか、社員と非正規雇用との扱いの差を感じました。そして一番不安だったのが、契約内容がコロコロ変わることでした。
季節により残業がすごく多かったり、人が辞めたりして人手が足りなくなると、最初の契約では八時間労働だったのが、有無を言わさない感じで、多忙な時期は「残業できるよね?お金入るし、そのほうがいいよね」となり、閑散期は「たまには早く帰って遊びたいよね」といった感じで、収入が全く安定しないことでした。
周りに相談しても、「それが嫌なら立場が保証されてる正社員になるしかない」と言われるのみで、臨機応変に、契約を切られないように対応するしかないと思いました。
社風を変えたいなら正社員になるのが早いかも
非正規雇用、正社員に限らず、四年ほど働いて結構ルーズな社風の企業だと感じ、それなら雇いにくい、めんどくさい人と思われないように、ひたすら出された条件をのむことにしました。
自分が正社員になって社風を変える、くらいの気負いがないと、非正規雇用の立場で、しかも個人で声をあげても、あまり成果は出ないと感じます。
社風を変えたいくらい愛着を感じる会社なら、非正規雇用から正社員になり立場をもって主張できよう、精を出すのが良いかもしれません。