ライフワークバランスなどという言葉が飛び交う現代では、少しのことでブラック企業認定されるようですが、超ド級ブラック企業に在籍経験がある私は「甘い、甘いブラックってのはそんなモンじゃない!」と思ってしまいます。
「泥沼ブラック業界へのきっかけ」長年水商売に携わってきた私が転職を決意したきっかけは結婚でした。「朝食後に出社し、夕方には帰宅し夕食を供にする」結婚生活をおくるために、長年在籍した水商売を引退し、まっとうな生活を送ろうと決意しての転職でした。
「入社した会社とは?」高校中退後、単身上京し水商売にドップリ嵌っていた私は、一般的な社会常識の概念が備わっていないだろうと、一時的なリハビリ目的で妻の実家が営む設備会社に入社しました。設備業界でも特殊な業種で、官庁を相手に法律知識を武器に案件の申請手続きが必要な業種で、法律知識の豊富さが売りの会社でもありました。
入社後私に求められたのが、
〇現場を経験すること
〇法律知識を大至急身に付けること
〇現場管理を独りで出来るようになること
〇申請書類の作成を速やかに行えるようになることなどで、入社翌日から研修が始まりました。
助手席の上司から、現場まで運転する私に矢継ぎ早に法律に対する質問が飛びます。応えられないと「やる気あんの?」と嫌味を言われ次の質問に移ります。朝8時~夕方5時の間は現場実習、午後8時近くに帰社し翌日の現場の準備です。
資材倉庫で「一回しか言わないからちゃんと聞いて」と宣告され、数百種に上る特殊工具や材料の名称、使用方法、特性を聞かされ現場に持込む準備をします。午後10時過ぎに積込みが完了すると、事務所で法律の勉強が始まります。写経のように法令集をノートに写しながら、疑問点を質問しても「自分で調べて!」だけの返答が返ってくるだけで独学の状態です。
午前1時過ぎに帰宅し、翌日の現場が遠い場合は作業開始3~4時間前には出社、現場に向かう生活でした。入社3ヶ月後には下請け業者と私で現場作業を任され、肉体的な負担は増える一方でした。その頃から週一度の徹夜を強要され、朝まで法律の勉強や申請書類の作成をしていました。
ブラック企業で鍛えられたら転職活動後の生活は天国かも
その会社で働いた経験で一般的なキツイ仕事も全く苦にならなくなり、一寸した苦境に陥ったときも「あの頃に比べたら」と思うことで、耐える力が付いたと思います。どんな職場でも何かしら得るものがあるものですね。