短大卒業後に専門学校に進学したものの、人間関係に疲れて卒業間際に中退した。目指していた資格を取れなかった私に残されたのは、第二新卒よりも中途半端な「中退」という学歴だけでした。絶望感から引きこもりに気味になっていた時期もありましたが、そこからマイナス面をプラスにとらえ、ニートから脱した就職方法をお伝えします。

引きこもりからのアルバイト

「自分なんて就職できるはずがない」と自信を失っていた私はアルバイトすらせずに家の中に引きこもり、ニートですらないような状態でした。そんな時に届いたのが知り合いの「結婚式への招待状」です。

貯金もない自分にはご祝儀を渡すこともできません。式に出席できるような服も靴もないのです。「このままではダメだ」と猛烈に感じた瞬間でした。私は「式までにご祝儀の三万円と服のお金を稼ぐ」と決め、とにかくアルバイトから始めることにしました。

フリーターがハローワークに通いだす

アルバイトを始めて「脱完全引きこもり」を果たした私はようやく「ニート」になれました。無事に目標金額を貯め、知り合いの結婚式に出席することもできました。しかしそこで私は自分を「社会人です」と言い切れない経験をしました。

式に出席している人と会話をする時にまず出てきたのが「お仕事は何をされていますか?」の世間話です。私はそこから話について行けなかったのです。バイトではなく正社員として就職したいと強く感じました。

よりよい条件のアルバイトを探しながら、正社員の職を求めてハローワークにも通い始めました。ハローワークは経験がない人間向けの仕事があまり豊富ではなかったのですが、ヤングハローワークという若者向けのハローワーの存在を教えてもらえたのは収穫でした。

ヤングハローワークはオシャレなオフィスビルにあって、既存の「職業安定所」のような暗い感じがなく、若者にも非常に行きやすい雰囲気でした。自分と似たような年齢の人が懸命に職を探す姿もモチベーションをアップさせました。

ヤングハローワークから就職研修へ

ヤングハローワークでは履歴書の書き方や面接の受け方など、本来なら短大卒業時に教えてもらえることを学び直すことができました。

そして就職研修の情報をもらったのもそんな時です。就職研修とは県が主催の若者向けの就職支援講習で、地元企業での就業体験にも行くことができます。

その期間はアルバイトを休むことになりますが、研修を修了すると報酬もいただけます。収入の激減を防ぐことができるのもフリーターにとってうれしい点でした。学びながらお金ももらえる、何より就職研修を受けることで正社員になりたいという意欲をアピールできると思い受講することにしました。

就職研修で考え方を変える

中退というコンプレックスでいっぱいだった私を変えたのは研修中の自己分析でした。変えられない過去を思い悩んでいても1円にもなりません。「売りにするべきことを身につけてから…就職活動を」なんて言っていたら、「若さ」という武器さえもすり減ってしまうでしょう。今持っていることから自分の「売り」を無理やりにでもひねり出せばいいと気がついたのです。

就業体験では企業担当者から、レポートが良く書けているとお褒めの言葉をいただくことがありました。専門学校ではレポートを書くことが多く、その経験が役に立ったのです。

結果的には中退で資格という形にはなりませんでしたが、身についたものはあるとアピールすることにしました。

ハローワーク担当者と二人三脚

いまさら失うものは何もありません。志望会社には積極的に電話をかけて面接に出かけました。「面接を重ねれば面接の達人になれるかも?」それくらいの気持ちです。

最初の何社かは緊張のあまりうまく受け答えすることはできませんでした。しかし何社か受けるうちにコツも分かってきました。ヤングハローワークの担当の方にも履歴書や志望理由の書き方について質問し、内容がより良くなるように何度も書き直しました。

ハローワークの人は完全無料で相談にのってくれるので助かります。新卒の人ならば大学の就職課などでアドバイスをもらうことができますが、私のような中途就職者は孤独になりがちです。

 

一人で空回りすると無駄に疲れてしまい、メンタル面の不調を招きやすくなってしまいます。やる気を持続させるためにも第三者のアドバイスをぜひもらうべきです。

ニートから正社員になるには?

面接の際は「なぜ専門学校を中退したか」は必ず聞かれました。自分にはむいていなかったので見切りをつけたこと、自分の人生設計を軌道修正して就職研修を受けたことをアピールし、今から始めるという熱意を示すようにしました。

 

もちろん相手にされないことも多くありましたが、履歴書の送付と面接を繰り返し、行動し続けているうちに採用通知をいただくことができました。

 

ニート状態が長く社会人経験がないことはマイナスかもしれません。しかし前の会社のやり方に固執せず、新しい会社のやり方に素直に対応していけるのは未経験こそのプラスです。

自分がマイナスだと感じていることも、たとえ無理やりでも良いのでプラス方向にひねりだしてみましょう。ニートから就職するのに必要なのは勇気ではなく考え方の転換なのです。

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