新卒でもフリーターでも就職活動をしていると周囲の人間、特に親のプレッシャーを感じます。「自分は自分」と思いながらも不安な気持ちがどんどん大きくなってしまいます。焦る気持ちにとらわれて適当に就職先を選んでいませんか?親の意見を参考にしつつ、自分の意志を大切にしていくためのヒントとはなんでしょう。
どこでもいいから就職しろという親
ご両親は自分たちが早く安心したい気持ちでいっぱいなのでしょう。しかし親は自分の人生の終わりまで責任を取ってはくれません。「どこでもいい」なんて考えてみたらなかなか残酷な言葉です。早く社会人経験を持ってほしいのが本音かもしれませんが、働くのはまぎれもない自分自身、納得できる就職先を探した方が続けるモチベーションも高くなります。
「親のどこでもいい」は本当にどこでもかまわないというわけではないと思います。言い換えれば「難しく考えすぎないで就職し、社会人体験をしてみたら新しい道も開ける」というアドバイスのようなものです。考えすぎて座り込んでしまったら、なかなか歩き出せなくなるのを心配してくれているだけなのです。
親も焦っていることを分かってあげる
「心配してくれているのは分かるのだけれど、文句を言われ続けるとイライラする。」
そんな時は親に就職活動の途中経過をこまめに報告してあげましょう。「今こんな企業を志望している、こんな就職エージェントを利用している、面接の練習もしている…。」などのように、何をしているのか報告することで親の不安は軽減されます。不安が少なくなるとヤル気をそぐような小言も減ってきます。
会社の上司へプロジェクト計画を中途報告する練習だと思いましょう。
少しずつでも成長して頑張っているのだと分かれば大抵の親は安心して見守ってくれるようになります。どうせ就職活動をするなら親にも応援してほしいし、決めた会社を喜んで欲しいですよね。
焦って文句ばかり言われるのはつらいのですが、それだけ気にかけてくれる人がいるのはありがたいことです。いろいろな立場の人の心情を考えることができる能力、そして他人の感情に巻き込まれ過ぎない能力は会社という組織に入ってからも大変役に立つものです。
「親で練習する」というと言葉は良くありませんが、社会には親以上に手ごわい上司やクライアントがわんさかいます。年上の人を納得させる言い方を身につけておいて損はありません。
適当に入社したらブラックに感じやすい
親の勧める「良い会社」は親にとっては優良企業かもしれません。しかし実際に働く自分にとってはブラック企業かもしれません。
自分の意志で選んだ仕事なら多少嫌なことがあっても頑張れます。頑張れないのは好きではない、自分に適していないからです。根性がないからという人もいますが、果たして本当にそうでしょうか。ブラック企業に勤めたあげく自殺に追い込まれた若者の報道もあります。
マッチングのミスは求職者と会社の両方の不幸です。そして結局は親までもガッカリさせることになります。親を安心させてあげたい気持ちは立派です。しかし親を安心させるため「だけ」に自分の人生があるわけではありません。
自分の幸せ、親の幸せ。バランスをとりましょう。
終身雇用はもはや死語、自分の意志を大切に
入社予定の会社が倒産した就活生のニュースが毎年流れます。でも見方を変えると入社前で良かったかもしれません。一度正社員になったら定年まで働くというモデルはもはや存在しないといってもいいでしょう。
完璧で安全な会社は存在しないのだとしたら、この点だけは良いので入社してみるという考え方もあります。自分が大学で専攻していた学問をいかせる会社に入社、スキルを磨いてからより好条件の会社を探す…こんな未来を描くことも可能です。
したたかになりましょう。会社はステップの一つにすぎないと分かれば、就職というイベントにこだわり過ぎる必要はないことが分かります。
親は「ずっと勤めることができる」良い会社を求めるかもしれません。しかしこの厳しい時代に良い会社にはなかなか出会えないでしょう。親世代と自分の世代では働き方についての基本的な考え方、常識が全く違うことがあります。たくさんの社会人経験がある親の意見は大変参考になるのは事実です。しかし親の意見が現代社会で正しいとは限らないのです。
会社は自分がステップアップするための一つの階段
自分のステップは自分で探して上りましょう。「この会社では社会人の基礎を身につけたい。そして次の会社ではこういう能力をアップさせたい。」
今、目の前にある会社にこだわり過ぎる必要はありません。終身雇用が崩れた今、会社にただ雇われるのではなく、会社を利用して自分の人生をより高めていく視点が必要です。
就職エージェントを利用して、会社分析をしましょう。自分に必要なスキルを磨くことができる会社がみつかります。そしていろいろな会社に出会ううちに、自分のやりたい道もおのずと広がりをみせます。ステップアップの方向も一つではないことに気づくはずです。さまざまな方向が見えてきた子どもに対して、親もきっと安心感を持つことができるようになります。
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