働いた会社で時間外手当が支給されない、毎日深夜まで残業がある、休憩休日がほとんど取れないなどのブラック企業だったというケースで何とか退職はした場合に、失業給付はもらえるものなのでしょうか。
ブラック企業を退職した時の失業給付のもらい方について注意点なども踏まえながらご説明していきましょう。
離職票を受け取れれば失業保険の申請はできる
会社を退職してから失業給付の手続きを行うためには会社から発行された離職票という書類を持ってハローワークに手続きに行かなければなりません。
ブラックな会社でも退職者が希望する場合に離職票の発行義務があります。
離職票は雇われてからの賃金などを記した書類なので会社側でなければ発行できない書類になります。
給料の締め支払いの関係で退職後数週間かかる場合もありますが、退職しても1カ月以内に離職票が届かない場合には会社に離職票の発行を依頼しましょう。
ブラック企業なら退職理由に注意!確認すべきポイントとは!
ここで注意しておきたいのは離職票の退職理由です。
退職理由が自己都合の場合はハローワークに失業給付の申請手続きに行っても、3カ月の給付制限がかかり、手続き期間を考えると実質的に4カ月は無収入の状態になります。
実際に自己都合で辞めた場合にはこれが正当な流れなので仕方がありません。
しかし、会社都合で解雇されたりした場合には離職理由が会社都合になりますのでこの3カ月の給付制限がかかりません。
会社から届いた離職票の離職理由が自己都合になっている場合には、離職理由の訂正を求めましょう。
自分では言いにくい場合は離職票を持ってハローワークに相談に行けばハローワークの方から会社に連絡をしてくれる場合があります。
しかし、退職願を会社に提出している場合には自分の意思で退職をしているとみなされてしまい、離職理由は自己都合になってしまいますので注意してください。
一般的な会社都合の退職理由は、次のとおりです。
- 会社の倒産(破産、民事再生、会社更生、手形取引の停止等)
- 事業所単位で1カ月に30人以上の離職予定、もしくは会社の3分の1を超える人の離職
- 事業所の廃止
- 解雇(違反・違法行為などを起こした際の懲戒解雇は自己都合退職扱い)
- 会社側から直接もしくは間接的に退職の勧奨を受けた場合(退職勧奨)
ただし、「経営が危うくなってきた」「倒産の危険性がある」と自分で判断して退職を申し出ることは、自己都合退職扱いとなります。
また、(5)の退職勧奨を受けた場合も、勧奨を承諾し、自分から退職を切り出した際には自己都合退職もしくは合意解約となり、会社都合退職にはならないので注意が必要です。自己都合で退職しても、会社都合にできるケースも
上記(1)~(5)に加え、以下のような「会社都合に値する正当な理由があった」ことが認められれば、やむなく自己都合として退職した後でも、ハローワークが会社都合と認めるケースがあります。ただし、その際には内容に応じて労働契約書や就業規則、給与明細書、タイムカードなどの証拠提出が求められます。
会社都合退職にできる可能性があるケース
- 事業所の移転により、通勤が困難になった(自宅-会社の通勤時間が往復4時間以上)
- 給与・待遇、労働時間、業務内容などの労働条件が契約内容と異なる
- 給与支払いの遅延・滞納・未払い
- 給与の減額(従来の給与額の85%未満に減額された場合)
- 毎月の残業時間が45時間以上に達し、その状態が3カ月以上続いた
- 仕事内容の変更(技術職で入社したにもかかわらず販売職への異動を命じられたなど)
- 更新前提だった雇用契約が更新されない
- セクハラ、パワハラ、いじめ、嫌がらせの被害を受けた
- 会社都合で休職命令を受け、休職が3カ月以上続いた
- 会社が法令違反を犯した
いずれかに当てはまり、会社都合退職に変えたい場合、ハローワークで相談してみましょう。
引用 マイナビ転職
雇用保険への加入手続きがされていなかった場合は!?
会社がブラック企業であった場合には雇用保険への加入手続きがされていない場合があります。
雇用保険への加入要件は以下の通りです。
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
大抵の場合は加入要件に当てはまるのではないでしょうか。
しかし、実際に加入条件に当てはまるにもかかわらず雇用保険への加入手続きをしないブラック企業は多数存在します。
試用期間だからという理由で入社して3カ月は雇用保険の手続きをしないという会社も実際にあります。
その結果、雇用保険への加入条件を満たしているのに加入手続きがされていないために、退職しても離職票が発行されずに失業給付の申請ができないというケースが起こり得るのです。
雇用保険に加入していないから離職票の発行はできないと会社に言われた場合にはハローワークにぜひ相談に行ってください。
ハローワークから会社の方に雇用保険への加入手続きをさかのぼって行った上で、離職票の発行手続きをするように連絡が行くはずです。
その場合にはあなたが実際にその会社で、雇用保険の加入条件を満たす状態で働いていたことを証明できなければなりません。
例えば、実際に就業してことを示すタイムカードなどです。
客観的証拠がなければハローワークも動きようがありませんので、いざという時のためにタイムカードのコピーなどを取っておくと良いでしょう。
雇用保険は入社時に加入手続きを行わなくとも、2年さかのぼって加入手続きを行うことができますので覚えておいてください。
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