会社を退職し、失業給付を受給している状態でも税金や社会保険料は払う必要が出てくるのでしょうか?
失業給付を受給しても普段通りの収入よりはかなり下がるためにできるだけ支払うのは避けたいところですよね?
ここでは会社を退職後の、失業給付受給時の税金についてご説明していきましょう。
目次
失業給付には所得税はかからない
失業給付は非課税とされているために、所得税がかかりません。
ハローワークから支給がある時も税金が引かれることなく振り込まれますし、失業給付で受給した分については確定申告をする必要がありません。
失業給付は税法上非課税となるので住民税の対象にもならないのです。
会社を退職したことで住民税の納付書が届く
住民税は1月から12月の収入に対して計算されたものが翌年の6月から引かれるようになります。
自宅に納付書が届いて自分で振り込みに行く人もいますが、会社の方に納付書が届き、会社の方で毎月の給与から住民税を天引きする形で住民税を納付する場合がほとんどです。
しかし、会社を退職したことによって会社が給与から住民税を天引きすることはできません。
そのために会社を退職すると税務署から直接住民税の納付書が届きます。
会社で天引きされていた時は毎月なので12分割ですが、税務署への納付は3から4回に分けて納付になりますので、一回当たりの納付金額が多くなります。
退職して収入もないのになぜこんな税金を払わなければならないのかと思ってしまいますが、これは前年の所得に対するものなので当然払わなければなりません。
期限に遅れると追徴金の納付対象になる場合もありますので、納付書が届いたらきちんと納付するようにしましょう。
失業給付の確定申告の必要はあるのか?
失業給付の受給額そのものは非課税なので確定申告する必要はありません。
しかし、辞める前の会社の収入については12月までに新しい会社へ就職して、年末調整をしてもらうことがなければ、確定申告をする必要があります。
その際は生命保険料控除や社会保険料控除などの各種控除も申告することになります。
会社での収入額を証明する源泉徴収票が必要になりますので、退職時にきちんともらっておきましょう。
それらを翌年の2月16日から3月15日までに税務署に確定申告をすることになります。
確定申告をすることによって働いていた時期に徴収されていた所得税が還付される場合がありますので、必ず確定申告は行うようにしましょう。
健康保険の任意継続は選択できる!?
会社を退職してしまうと健康保険証は返却することになります。
退職後は新たな健康保険に入らなければなりませんが、ここで以下の選択ができます。
・退職前の健康保険に任意継続加入をする
・国民健康保険に入る
退職前に加入していた健康保険は継続して2カ月以上の加入期間があり、退職日の翌日から20日以内に手続きを行うことで2年間だけ継続して加入できる制度があります。
しかし、これまでは会社が保険料を半分負担していたのですが、退職後は全額を自分で払うことになるので健康保険料が倍になります。
もう一つは住んでいる市町村で手続きができる国民健康保険です。
国民健康保険の場合は保険料の計算方法がこれまでの健康保険とは異なりますので、一概に任意継続とどちらの保険料が高くなるかということは言えません。
事前に確認したい場合は市町村の窓口に保険料がいくらになるのかを確かめた上で、任意継続とどちらが得なのかを考えましょう。
その際には世帯全体での保険料を聞くことと、任意継続は20日以内に手続きをしなければならないので早めに確認をするということを覚えておいて下さい。
国民年金には加入する必要がある
会社で働いていた時は厚生年金保険に加入しており、会社の給料から健康保険料と併せて厚生年金保険料も引かれていました。
しかし、退職をしてしまうと自分で国民年金に加入をしなければならなくなりますので市町村の役所の年金の担当窓口に行って手続きを行う必要が出てきます。
国民年金保険料は平成28年度の価格で一ヶ月あたりの金額が16,260円ですが、今後改定される可能性はあります。
それでもこれまで払っていた厚生年金保険料よりは安くなる場合がほとんどでしょう。
しかし、それだけ将来もらえる年金が低くなる、ということは覚えておいてください。
退職して収入がないのに年金に加入して保険料を払うのはためらう人も多いでしょうが、将来の年金の受給のためには未納期間は作らないほうが得策です。
収入状況によっては保険料免除の申請もできます。
免除申請を行うことで将来の年金受給額にも影響しますが、未加入でいるよりはよいのではないでしょうか。
家族の扶養者になれる場合は!?
もし、自分に配偶者がいる場合などは失業給付の受給中であっても社会保険の扶養に入ることができる場合があります。
扶養に入ると健康保険料も年金保険料もかかりません。
扶養の要件に当てはまる人はぜひ配偶者の会社に扶養手続きの申請を行いましょう
失業給付を受給中で扶養に入れる基準は基本手当の日額が3,611円以下の人です。
アルバイトやパートの人でなければこの基準には当てはまらない人がほとんどでしょう。
この基準額を超える人は扶養に入れず、失業給付の受給期間は国民健康保険と国民年金に加入する手続きをしなければなりません。
退職したら無職の状態でも、何らかの社会保険に加入する手続きを行わないといけないことになりますので覚えておきましょう。
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