鬱病であると診断を受けたならば、即座に休養を取るべきです。それが一番の治療だと分かってはいても、現実は厳しいもので諸事情により休めない人もたくさんいます。収入が減少するのではないかと不安になり、軽度の鬱病の場合は薬を飲みながら働く人もいるのが現状です。

重度の場合は必ず休むということが大前提ですが、回復の段階にいる人、軽度で薬を飲みながらでも働きたい人はどんな環境ならば働きやすいのか考えてみます。

 

鬱病でも働きやすい職種はあるのか?

本当はゆっくりと休んで欲しいのですが、そうは言っていられない人もいます。鬱病でも比較的働きやすい仕事環境とはどんなものでしょうか。

 

・仕事の内容

初対面の人に頻繁に会うような精神的負担が大きな職種ではなく、慣れている人間関係の中でノルマのない仕事ならば働きやすいです。裏方の仕事を回してもらったり、体力的にも無理のない職種からステップアップするのが良いでしょう。

 

・時間と日数の調整

通勤電車に乗るだけでもかなりの負担になります。最初は午前中だけ週三日、のように短時間労働で始めるのが安心です。

 

通勤が難しくても職場をアシストする内容ならば、メールやチャットを利用して在宅でも仕事ができるかもしれません。しかし在宅でもいきなり最初から長時間にならないように注意が必要です。人に会わなければ大丈夫というわけではなく、頭を休める時間を取るという意識を常に持っておく必要があります

 

・職場の理解を得られる

鬱になっても働ける仕事として大切な条件は、職場に理解があるという点です。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら回復していくので、周囲の理解がないとゆっくり休んでいられません。

 

病気を隠し続けて働くと「昨日はテキパキ働いてくれたのに、今日はノロノロしている」と誤解を受けることもあります。「あの人はサボっているの?」と思うと周囲の不満が増して、摩擦が生まれる可能性があります。

病気への理解があれば職場の人たちもイライラしなくてすみ、本人も適度に休むことができます。

 

鬱病になってしまって働く上での注意点

・鬱病がひどい期間は必ず休む

鬱病がひどい時は気力・体力ともになくなっているので、寝たきり状態になってしまう時があります。症状がひどい時は休むことが必要です。無理をして働くと鬱が長引いたり、さらにひどくなったりします。無理は禁物です。

 

・復職は自己判断しない

少し良くなるとこのまま以前と同じようにフル稼働できるのではないかと勘違いしがちです。しかしリハビリを意識して少しずつ勤務の時間を延ばすような形態が賢明です。

 

「早く仕事ができるようになりたい」「みんなに迷惑をかけたくない」とつい焦ってしまいます。しかし焦ってしまうと悪化して逆に復帰までの時間がかかることも多いのです。

必ず医師と「仕事と薬の量」を相談しながら、復帰のペースを考えましょう。

 

自分では気づかない疲れがたまった結果、鬱病になってしまった人も多いはずです。自分を客観的に分析してくれる人がいた方が病気を悪化させなくてすみます。

 

鬱病は再発しやすいことを意識しておく

・メンタルの病気の特性を理解する

鬱の時は思考力、集中力、判断力が低下します。ありえないミスを連発して自信を失ってしまうこともよくあります。鬱が良くなるまでは、失敗はつきもので自分の能力が低いわけではないと思うようにしましょう。

 

風邪の熱が下がったので出社したらぶり返してしまった経験はありませんか?鬱病でも似たようなことが起こります。メンタル的な病気は検査数値でハッキリしにくいのが特徴です。自分の症状が本当に良くなっているのかは自分も、そして医師も大変分かりにくいのです。復職については再発しやすいことを意識して慎重に取り組みましょう

 

・鬱病の自分が情けなくなる時

「職場の人に迷惑をかけてしまうなら、やめた方がいいのではないか?」とマイナス思考になることも多々あるかと思います。

しかし新たな人材を一から育てて戦力にしていくことはとても難しいことです。少しずつでも復帰してくれる方が助かることもあります。

 

だれでも鬱病になる可能性はあるのです。同じ職場の人が鬱になった時に、次はあなたが助けてあげる日もやってくるかもしれません。お互い様なのです。

 

自宅にいながら新しい職業を探してみませんか?

「鬱病になったために今の仕事を続けられない」そういう人もいるでしょう。転職エージェントを利用すると自宅にいながら転職活動ができ、探してみると在宅ワークが可能な仕事の募集もあります

 

最近はメール・Skype・チャットワークなどのツールを利用して、人に直接会わなくても仕事ができるようになってきています。鬱病の症状の上下が激しく、継続的な通勤が難しい人でも選択の幅は広がっています。もちろん症状が重い時は無理をせず、休まなければなりません。

 

しかし元気になって復職のことを考えられるようになった時のために、働き方はいろいろあるのだと知っておきましょう。仕事が見つけられるという希望が「ある」のと「ない」のとでは大違いです。

 

必ず医師と相談しながら、少しずつ社会復帰を目指すようにして下さいね。

 

おすすめの記事